新型コロナ対応で通常医療への影響は?

全国の病院のうち、8.5%が外来を制限または停止、8.9%が入院を制限または停止、4.9%が救急を制限または停止している――。

これは、5月31日時点のもの。新型コロナウイルス感染症の流行は、通常医療にも影響を与えつつあります。

 

全国病院の外来・入院・救急状況を毎日公表

 

厚生労働省は、内閣官房と連携し、全国の入院病床をもつ病院(20床以上)の医療提供状況を毎日確認しています。

そのうち、各病院の外来・入院・救急の提供状況について、前日時点のデータを「政府CIOポータル」内で、毎日公開しています。

政府CIOポータル

全国医療機関の医療体制の状況

https://cio.go.jp/hosp_monitoring_c19

 

東京では16%の病院が入院を制限または停止

 

2021年5月31日時点の状況を見ると、外来診療については、「通常」は79.9%で、「制限」が7.0%、「停止」が1.5%。そのほか、「設置なし」「未回答」が計11.6%でした。

入院は、「通常」が82.3%で、「制限」が7.8%、「停止」が1.1%、「設置なし」「未回答」が計8.8%。

救急は、「通常」が49.3%で、「制限」が4.1%、「停止」が0.8%、「設置なし」が38.5%、「未回答」が7.3%という状況でした。

 

これらのデータは都道府県別に見ることもできます。

たとえば緊急事態宣言中にある東京都では、外来を制限している病院が13.9%、停止している病院が1.9%、入院を制限している病院が15.0%、停止している病院が0.9%、救急も9.0%の病院が制限、0.9%が停止――と、全国平均に比べて通常診療への影響が大きいことがわかります。

 

救急搬送困難事案は前年比1.75倍に

 

総務省消防庁が公表している「救急搬送困難事案に係る状況調査の結果」を見ても、救急医療にしわ寄せがいっている状況がうかがえます。

 

2021年5月17日から5月23日の1週間で、全国で救急搬送困難事案件数は1,658件に上りました。前年同期には947件だったので、75%増えています。

また、1,658件のうち、「コロナ疑い」は563件ありました。

 

ちなみに、救急搬送困難事案とは、救急隊による「医療機関への受け入れ紹介回数4回以上」かつ「現場滞在時間30分以上」に当てはまるケースです。

搬送受け入れに時間がかかるケースが増えていることがわかります。

 

 

◎総務省消防庁

「新型コロナウイルス感染症に伴う救急搬送困難事案に係る状況調査について」

https://www.fdma.go.jp/disaster/coronavirus/post-1.html

 

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