新型コロナ、今後の取り組みはどうなる?

8月28日、政府は第42回新型コロナウイルス感染症対策本部が開催され、厚生労働省から提出された「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」(以下、「今後の取組」)が決定されました。

新型コロナウイルスに関しては、これまでの経験から「8割は軽症又は無症状のまま治癒するが、2割で肺炎症状が増悪し、人工呼吸器管理などが必要になるのは5%程度」であり、「65歳以上の高齢者や慢性呼吸器疾患、糖尿病、肥満などを有する者で重症化のリスクが高いこと」などがわかってきました。

そこで、今回とりまとめられた「今後の取組」では、
●重症化するリスクが高い高齢者や基礎疾患がある者への感染防止を徹底するとともに、医療資源を重症者に重点化する
●季節性インフルエンザの流行期に備え、検査体制、医療提供体制を確保・拡充する
という方向性が示されました。

新型コロナ、7つの取り組み

具体的には、次の7点の取り組みを進めていくことが提示されました。

① 感染症法における入院勧告等の権限の運用の見直し
② 検査体制の抜本的な拡充
③ 医療提供体制の確保
④ 治療薬、ワクチン
⑤ 保健所体制の整備
⑥ 感染症危機管理体制の整備
⑦ 国際的な人の往来に係る検査能力・体制の拡充

軽症者・無症状者は宿泊・自宅療養を徹底

ひとつめの項目「感染症法における入院勧告等の権限の運用の見直し」に関しては、新型コロナウイルス感染症は、現在、1~5類感染症とは別に、暫定的な分類として「指定感染症」に指定され、2類感染症以上の措置がとれるようになっています。
第一波のときには、当初は軽症者も病院での入院を強いられ、病床がひっ迫したため、4月に厚労省から無症状者と軽症者はホテルなどでの宿泊療養を基本とする考えが示されました。ただ、地域によっては、無症状者も入院で対応していたそうです。
そこで「今後の取組」では、「軽症者や無症状者について宿泊療養(適切な者は自宅療養)での対応を徹底」すること、「感染症法における権限の運用について、政令改正も含め、柔軟に見直し」を行うことが盛り込まれました。

地域の医療機関で検査ができるように

検査体制については、季節性インフルエンザに加えて新型コロナウイルスの検査も、地域の医療機関で簡易・迅速に行えるよう、抗原簡易キットによる検査を1日平均20万件程度に拡充するとの方針を示しました。
また、感染が拡大した地域では、その期間、医療機関や高齢者施設等に勤務する全員を対象に一斉・定期的な検査を実施することを都道府県等に要請することも明記されました。

入国時の検査については、成田・羽田・関西空港において9月までに1万人超の検査能力を確保する、とのことです。

そのほか、3点目の「医療提供体制の確保」に関しては、第一波の際には、新型コロナウイルス感染症患者の入院治療等を行った病院ほど経営が厳しくなったことが報じられました。そこで、「新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関の安定的な経営を確保するためさらなる支援を行う」ことが明記されました。

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