2019年度の立入検査はサイバーセキュリティやハラスメント対策も

「令和元年度の医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査の実施について」と題した通知が、このほど、厚生労働省から各都道府県知事等あてに出されました。

 

医療法第25条には、都道府県知事、保健所を設置する市の市長または特別区の区長は、必要と認めるときには立入検査をすることができる旨が定められています。

 

今回の通知は、この立入検査について2019年度の重点事項を示したものです。

 

2019年度立入検査の4つの柱

2019年度の立入検査の留意事項として、次の4つの柱が示されました。

 

①安全管理のための体制の確保等について

②院内感染防止対策について

③最近の医療機関における事件等に関連する事項について

④立入検査後の対応その他

 

新たに追加されたこと

こうした柱は例年と同じもので、その中身も基本的には同じです。

ただ、いくつか新たに追加・修正された項目があります。

 

まず、「安全管理の体制の確保等について」では、次のような内容が追加されました。

 

・医薬品の安全使用のための業務手順書作成マニュアルの改訂に伴う確認

・医療事故情報収集事業に報告を行っている死亡事例について、医療事故調査制度への報告を行っているかの確認

・医療事故調査制度に係る遺族への説明方法の確認

・医療事故調査制度に係る「再発防止に向けた提言」の活用状況の確認

・医療機関におけるサイバーセキュリティ対策として連絡体制の確保等が図られているかの確認

 

また、「最近の医療機関における事件等に関連する事項について」では、職員の健康管理に関連して、暴言・暴力等のハラスメント対策が追加されました。

なお、医療現場におけるハラスメント対策に関しては、次のような通知がすでに出ているので、ご参考ください。

 

「医療現場における暴言・暴力等のハラスメント対策について(情報提供)」

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000487147.pdf

 

検体検査の精度管理への対応も

2017年の改正医療法等では、検体検査の精度の確保に係る基準が創立され、2018年12月1日から施行されました。

このことを受け、立入検査でも、改正内容に対応しているかどうかの確認が追加されています。

 

これらの重点事項や新たに追加された項目は、立入検査を受ける側である医療機関にとっては、とくに注意して自己点検を行うべきポイントになります。

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